英語表記の対応に追われるのは、次のオリンピック開催を控えた中国。一昔前の日本と同じく、中国でもトイレの表記を「W.C.」としているため、北京では、年末までには市内の全ての公衆トイレの表記を「Toilet」に変更する予定にしています。また他にも道路標識など、英語標識の改正が進められています。
地元の「北京モーニングポスト」紙は、「西洋諸国では、W.C.という言葉は現代ではほとんど使われない」とし、また「W.C.は、中国語でいう『屋外便所』と同じで、非常に下品である」と書いていますが、その解釈がどこから出てきたかについては述べられていません。中国国営メディアによると、「W.C.」は「water closet」の略で、英国ビクトリア朝を思い起こさせる時代遅れの言葉とのことです。
道路標識も中国語をただローマ字表記にする方法から、言葉の意味を英語で表現する方法に変更されます。例えば、東長安通り(ドン・チャンガン・ジエ)は、「イースト・チャンガン・アベニュー」となります。
一番複雑な表記変更は、食べ物のメニューです。北京に何千人と訪れる予定の観光客、選手、報道陣はほとんどが中国語を読むことも話すこともできませんので、彼らのための食事のメニューを英語で用意しなければなりません。
英語表記メニューのリスト案はすでに出来上がっており、現在は専門家によって検討中の段階です。三ツ星のレストランとホテルは、完成したリストに従って英語標識やメニューを作成することになります。
一方、リストを作成する専門家は、中国語のニュアンスを残しつつ自然な英語に翻訳するのに苦労しているようです。例えば、中国の有名な料理に、春雨と豚のひき肉の炒め物「馬蟻上樹」があります。「木に登る蟻」という意味ですが、直訳にすると外国人には通じないので、翻訳の仕方が問われる一品です。このように、中国は今、観光客を驚かせるネーミングを減らそうと試行錯誤している最中です。




